牛久保公平さん

 当社のトヨタ式の改善活動を指導してくださっている鈴村先生について、このブログでも何度か触れましたが、鈴村先生には本当にいろいろな素晴らしい方を紹介いただいております。
 その中のお一人に牛久保公平さんがいらっしゃいます。カーエアコンや自動販売機を作っている群馬県のサンデンさんの創業者一族で元取締役の方です。今は自らの志をもって、社外取締役ネットワークと言うNPOで活動されていらっしゃいます。この日本に本当の意味でのコーポレートガバナンスと言うものを定着させたい、と言う思いで頑張っていらっしゃいます。
 昨日は当社に初めてお越しいただき、工場を見学してもらったり、当社の役員さんたちとディスカッションしてもらったりしました。牛久保さんのキャリアとしては、電機関係の開発が長いため、全く業種が異なり、そういう観点から発せられる質問に我々はたじたじになってしまいました。

  でもそれと同時に、「それはそういうことだったのか!」という新たな気付きを私に与えてくれました。いかに自分たちの当たり前に凝り固まっているのか、ということもびっくりしました。
例えば、当社のルーツでもある大麦の切断工程を見ていただいた後の感想です。「50年以上もあの機械を使っているなんてすごいですね」・・・とここまでは良くある感想ですので、私も余裕を持って「ええ」とお答えしました。本当はそこから革新的には進歩していない自分たちがちょっと恥ずかしいのですが・・・。そして普通はここから”メンテナンス”の話とか、”かつての発明がいかにすごかったか”、という話に展開されていくのですが、今回は違いました。
 
 牛久保さんが感心したのは「その50年も基本的には同じ商品が売れ続ける、というのがすごい。」ということだったのです。牛久保さんたちの業界からすれば、半導体などはその最たる例でしょうが、需要と言うものがいつまであるか、本当に読みにくい。しかしそれは時間を読む、と言う話であって、いつかなくなるのは当たり前、という世界だと言うのです。それに比べ我々の食品業界の需要は、変化をしては行くものの基本的に麦ごはんを全く食べなくなる、ということはないんだ、というある意味ではすごいことを気付かせてくれました。もう少し考えると、単なる食品ではなく、我々の分野がさらに主食という分野だからさらにそうなんだ、と思いました。

 牛久保さんがすごいのは、先入観にとらわれることなくちょっと聞くと「何と素朴な質問!」というようなことを真剣に質問されることです。でも実はそれが本質をついているのですよね。つまり「それはなぜやるのか?」といった目的を聞く質問が多いのです。それをまた自分の頭の中で整理、構成し、「なるほど、そういうことか」と言うところまで考えられることです。その場でわからないことはどうやら文献を当たったり、徹底的に調べるんですね。私とは全く違う、と思いました。二人の共通の話題であるトヨタ式改善活動についても、面白い話をいくつも聞きました。
 
 その中でも印象深かったのは、「トヨタの考え方がすごいのは全体のつながりを意識した仕組みであること」と喝破した上で、「なぜ、大野耐一氏はあれだけの全体のつながりを意識した、いってみればその当時ではとんでもない思想を思いついてあれだけ頑固に進められたのか」と言う問題についてです。というよりも、こういう問題意識を持つに至るのがすごいと思いましたが。牛久保さんの仮説がまたすごいのですが、きっと大野氏は仏教、特に禅に造詣が深かったのではないか、ということでした。それを大野氏の養子の方にまで確認しようとした、というのですから徹底しています。
 
 昨日はお酒もご一緒させていただきこのほかにも本当にいろいろと気付かせていただきました。特にファミリーと経営についての話題は尽きませんでした。私が目指している、非上場であるけれどもパブリックな会社というコンセプトを実現するためにも、これからも是非ご指導いただきたいと思っております。本当に素晴らしい方に出会えたことに感謝しております。

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プロフィール

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株式会社はくばく
代表取締役社長
長澤重俊

1966年ひのえうま生まれの45歳。
東京大学ラグビー部卒。(本当は経済学部)
住友商事を経て1992年はくばく入社。
趣味はゴルフとワインかな?
今年のヴァンフォーレ甲府がJ1で大活躍することを心から期待しています。