先月の30日、山梨県米穀というお米の卸の会社の社長に私がなることが決まりました。この会社は35年前に山梨県内の3つの米穀卸が合併して出来た会社であり、その3つの会社の一つの社長を私の祖父・重太郎がしており、初代社長となったのでした。その後も父が株主として関わってきましたが、昨年来この会社の増資に、はくばくとして応じ関係をさらに深めていたという背景があります。
今回、社長になるまではいろいろと紆余曲折がありましたが、結局私がやる、ということに落ち着きました。最後はこれも何か運命のようなものを感じました。どうもこれは私がやらねばならない仕事のようだな、と。自分が望んでいなくても、そういう風に事が運ぶ、ということはあるのでしょう。
米穀卸の業界は今大変厳しいものとなっています。まずお米の価格が流通マージンも中々取れないようなレベルで推移しています。それどころか、ますます低価格での競争が激しくなっています。お米の価値、というものがどこかに行ってしまって、価格だけが競争の大きな軸になってしまっている感があります。
またお米の品種が混ざらないようにすることが、非常に厳しく問われています。誤魔化す、というのであればもってのほかですが、精米の工程中どうしても滞留してしまう部分のお米が、次のロットに混ざることは相成らん、というお話です。小売の側から要求されるわけですが、本当に生活者はここまで望んでいるのか、という素直な疑問があります。そのほか、生鮮品扱いゆえ、非常に短い賞味期限、という難しさもあります。
実はこの会社も現在の経営状態は良いとは言えません。したがって建て直し、ということになると思います。私にとっても新しい挑戦です。二つの意味で挑戦だと思っています。一つはこういう厳しい経営状態の会社を建て直す、という挑戦。そしてもう一つは、お米の流通、という今までやりたくても出来なかった仕事を手がけられる、という挑戦です。再建、という仕事は厳しいけれど、また経営者としてやりがいのあるものだと思っています。このキーワードは自主自立。米穀卸としての基本的な機能をどう強化するか、ということがまず大事だと思っています。
そしてもう一つの挑戦、米穀流通業でのビジネスはもっと楽しみなものであります。私の持論として「お米はもっと価値のある食材である。その価値をもっときちっと構築し、伝え、喜んでもらわねば、日本の主食として大いに問題である」という問題意識を、ビジネスとして成り立たせることが出来るか、ということです。お米は日本の食の根幹を成す大事な大事な食材です。これが価格がメインの競争では、何と悲しいことでしょう。これは農業にも直結する大きな課題です。お米の価値がしっかり生活者に伝わり、喜んでその対価を払っていただければ、その中間にいる流通業はもちろん、最終的には農業が活性化する、ということになると信じています。
そういう大きな可能性を持つビジネスに小さいながらも参加できる機会をいただけたことに感謝しています。この巡り合わせを何としても良いものにしていきたいと思っています。また米穀店さんにも御世話になると思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます。




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